最近、高齢者ドライバーの逆走や踏み間違いによる事故のニュースをよく聞きます。
先日も池袋の事故の判決が出たばかりです。
怖い話です。自分はまだ、高齢者ではないけれど、確かに若い頃よりも、鈍くなってきていることは確かです。
駐車場では、まっすぐに止まれない、右折の出るタイミングがつかめない、夜の雨の日の運転に怖さを感じる・・・。
私の父も80過ぎまで車の運転をしていました。
母が運転できなかったし、田舎に住んでいたので、車のある生活はとても便利でした。
父はとても安全運転でしたので、大きな事故を起こしたこともなく、違反でつかまったこともない優良ドライバーでした。
それでも、80を過ぎたころから、だんだん危なっかしい運転をするようになってきました。
ある時、店屋の壁に追突してしまいました。
さほど、スピードが出ているわけではなかったので、けがもなく、お店の修理もたいしたことはなかったのですが、少し危機感を覚えました。
お父さんもそろそろ車の運転をやめなければいけないころかしら？
でも、なんていったらいいのかなあ？
ここまで、優良ドライバーできていて、何かあってからでは遅いと思い、兄弟３人集まって、父に免許返納の話しを切り出しました。
でも、俺は、まだ大丈夫。やめろと言われても、生活が困るし。
でも、何かあってからでは、遅いから。
大丈夫だよ。気を付けて運転するから。
話は、平行線のまま。
やはり、父にとって車の運転をやめるということは、とても大きな決断で、すぐにどうこうできるものではなかったのです。
ほとんどの高齢者がそんな気持ちではないでしょうか？
今まで、便利に使えていた物が明日から使えなくなる、どこにでも自由に気軽に行けていたのに、行けなくなるというのは、なんというか喪失感を感じるというか、どんな気持ちになるんだろうか。
それでも、周りで見ていて危ないなら、免許返納をさせるのは身内しかありません。
父の気持ちも大事にしながら、時間をかけて免許返納を勧めていこうという話になりました。
その矢先、母から「お父さんが、今、事故にあって、救急車で運ばれた。」と、連絡がありました。
父が、普通に車を運転しているところへ、一旦停止を無視した車に後部を当てられ、一回転してしまったらしいとのこと。車は、めちゃくちゃに壊れてしまったが、父のけがはたいしたことはなく、精密検査を受けて、なんの異常もなかったので、その日に帰ってこられました。
明日から乗る車がなくなってしまったことで、父も決断できたのか、車の運転をやめることにしました。
お父さん、これでよかったんだよ。
お父さんのけがもたいしたことなくて、誰も傷つけずに車の運転歴を終えることができたんだから。
そうだな。いい潮時だったかもな。
少し、寂しそうな父でしたが、免許返納のいい機会になって、不幸中の幸いでした。
それでも、そのあとは、やはり老いは加速度的にやってきました。
住んでる地域もあると思いますが、各家庭によってそれぞれにいろいろな事情をかかえて、説得に当たっている方も少なくないと思います。
それは、すぐに自分たちの番であることも肝に銘じていきたいなと思いました。
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