この文庫本の発行年は2013年。すでに8年程前のこと。
当時「限界集落」という言葉を盛んに聞くようになっていた。「限界集落」それは、過疎・高齢化のため社会的な共同生活の維持が困難な土地・集落。
少し話は変わるが、「ポツンと一軒家」とか「人生の楽園」というテレビ番組をご存じでしょうか。私は録画しておいてよく見ている。人生の終盤に差し掛かった時、あるいは人生の前半辺りを振り返って中後半の生き方を考え直したりと、そうした人々の生き方紹介的番組。私は大好き。そこで登場する人々とこの本の主人公・多岐川優とがオーバーラップするように思えてならない。
起業のためにIT企業を辞職した主人公」多岐川優が、人生の休息のためにふと故郷を訪れる。その故郷の思い出はほとんど彼の記憶に留められていないはずだった。彼の故郷は「限界集落」だった。優は、村の人たちと関わるうちに限界集落の農業経営を担うことになっていった。
農業や地方の村が抱える様々な問題、課題と向き合い、闘いながら限界集落の再生に立ち向かっていく。
物語のストーリーは、ハッピーエンドがいい。ハッピーなエンターテイメントがいい。ハッピーな終末から読者は勇気・希望・やる気・挑戦意欲をもらえるんだろうと思う。
何かに行き詰っている人、良く分からないけれど心がもやもやしている人、ちょっと時間があって気持ちがスカッとしたい人、そんな人にお薦めしたい本です。
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