高校時代の終わりごろ、中村雅俊さん初主演の「われら青春」というテレビ番組にはまっていた。
型破りな青年教師が、生徒とともに泣き笑いの青春ドラマを展開していた。同僚の教師として島田陽子さんも登場していて、彼女の存在がやたらまぶしく感じられたことも記憶している。当時は、この手の番組がよく放映されていた。ドラマの中の挿入歌「ふれあい」と「青春時代」は大好きな楽曲だった。
その後、中村雅俊さんが主演した番組が「俺たちの旅」だった。現在のドラマは12回くらいで終了してしまうサイクルが多い。しかし、この番組は1年間、全46話というロングランの番組だった。三流私学・修学院大学の学生カースケ、その同級生オメダと、同郷の先輩グズ六が中心に織りなす友情と青春群像を活写し、生きることの意味、悩み、喜びなどについて問いかけるという内容だった。この場組のオープニング曲こそ、小椋佳さんの「俺たちの旅」だった。そして、中村雅俊演じるカースケに思いをよせるヨーコとの関係を歌った?のが「ただお前がいい」だった。ほんとうにこの2曲はお気に入りだった。今でも、風呂の中で、散歩しているときなど、ふと口ずさむ歌である。
夢の坂道は 木の葉模様の石畳
まばゆく白い長い壁
足跡も影も残さないで
たどりつけない山の中へ
続いているものなのです
ただお前がいい
わずらわしさに 投げた小石の
放物線の奇跡の上に
通り過ぎてきた 青春のかけらが飛び跳ねて見えた
その照り返しを その頬に写していてお前
また会う約束などすることもなく
それじゃあまたな と別れるときの
お前がいい
この小椋佳さんのつくった曲がよかった。本当に良かった。ドラマの舞台の中心となった井之頭公園は、憧れの場所だった。大学に通うため上京した時は、まずこの地でアパート捜しをした記憶がある。
井之頭公園駅の伝言板を捜した記憶も鮮明である。もちろんこの2曲をくちずさみながら。このブログを書きながら、もちろん「俺たちの旅」「ただお前がいい」を聞いている。しかし、現実は甘いものではなく、アパート家賃が高すぎて井之頭公園駅近くに住むことは叶わなかった。とはいうものの何度も井之頭公園に出掛け、吉祥寺の街を歩いたことは覚えている。
ドラマは破天荒なカースケを中心に展開していくだが、青春時代には表と裏、光と影があるように思う。この2曲はまさしく青春時代の背景に流れる曲としての光と影を併せ持つメロディーだと私は思う。番組は1976年10月に終了したので、もう45年も経っている。それでもこの2曲は色褪せることなく、私の胸の中で灯し続けている。ほんとうによい歌だ。ありがとう小椋佳さん。
コメント